五つのリンゴの話

布施

ここに五つのリンゴがある。このリンゴを自分が全部食べてしまうと五つ全部自分のものにできる。でも、布施とはこのリンゴを相手に渡してあげること。たとえば、五つのリンゴのうち三つを相手に渡す。そうすると自分は二つしか食べれなくなる。でも、それでも、相手の為に与えることによって、五つのリンゴが十にも二十にもなる。これが布施の功徳。

でも、これは現実には、五つのリンゴを三つ人に与えると自分は三つしか食べれなくなることは間違いない。でも、ここで布施の功徳というのは、心の幸せのこと。つまり、比べるものは五つのリンゴを全部自分で食べた喜びとそのリンゴを他の人と一緒に分かち合って食べる喜びとの比較。

この五つのリンゴとは自分にやってきた豊かさ。この豊かさをいつも自分の為にしか使わない人は、どんなに贅沢をしたとしても、どんなに豊かな生活をしたとしても、その喜びを砂を噛むように味気ない。つまり、幸せとは一人で味わっても、嬉しくないのです。だから、施すことが大切。でも、ここで大事なこと。それはリンゴを人に施すとき。なるべくその人と一緒にリンゴを食べることが大切。ジェットコースターでも一人で乗ると味気ないものでも、一緒に乗ると楽しいように、幸せとは一緒になって分かち合うことが大切なのです。

つまり、この布施の功徳というのは、自分にやってきた豊かさを自分だけで味わうのではなく、自分のまわりの人と一緒に味わってゆく喜び。

その喜びは一人で味わう喜びとは比較にはならない。常に人と一緒に幸せを味わってゆきたいと思うこと。それが布施の功徳になるのです。

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