鬼が責める

人間には一人一人思いがある。この思いを無視して、一方的に相手を悪者にして責めると、責めたことが自分に跳ね返り、不安になる。
この不安とは得体の知れない不安。誰かがいつも自分のことを悪者にならないか監視している不安。誰だって心にやましいものはある。だから、他人を悪者にして責めると今度は自分が悪者にされて責められるのではないかという不安が起きる。
だから、自分は悪者にならないように必死に正しいことをするようになる。そして、自分はこんなにも正しいことをしているのだから、悪い人間ではないのだと自分を正しい所に置こうとする。
しかし、自分の心によって生み出された鬼は、どんなに自分は正しい人間なんだと主張しても、心の奥底まで見て、やましいところがあったならば、容赦なく責めてくる。だから、このような人の心にはいつもお前は悪い人間だという声なき声が響いている。
このような人はいつも不安に怯え、苦しまなければならない。みんな苦しいから、この苦しみを誤魔化す為に欲に走る。
悪を責める人はいつも不安を抱えて生きてゆかなければならないのですね。

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