我とは何か

我とは自分の理性で自分とはこういう人間だと思っているもの。それをイメージや言葉で自分を定義したものを我と言います。
私たちは自分で自分の存在を感じることが出来ないので、他人が自分のことをどのように見ているかを通して、自分とはどういうものかを確認している。
だから、我とは周りの人が自分のことをどのように見ているかによって、自分とはどういうものかという我が変わってきます。
特に小さい時に周りの人から自分のことをどのように見てもらったかによって、自分とはどういう人間かという我が形成されます。
多くの場合、ありのままの自分を出したとき、親から否定されて育った人が多い為に、自分という存在を否定的なイメージとして我ができます。
この我をマイナスの我と言われ、そのままの自分を認めてしまうと、こんな価値のない自分はまわりの人から相手にされず、見捨てられると思ってしまう。だから、自分の中で理想的な我(プラスの我)を作り上げ、
“自分はこんな素晴らしい人間だから、見捨てられることはないんだ”
と、自分はこんな価値のある人間なんだと思ったり、まわりの人に認めさせることで、自分の心を保とうとします。
つまり、私たちはマイナスの我をプラスの我によってコーティングすることで、自分は価値のある人間だから生きていてもいいんだと思っているのです。
その為、何か失敗して、このプラスの我が崩れると心の奥底からマイナスの我が見え、自分の存在が否定されて、ここにいてはいけないかのように感じて苦しくなる。
だから、失敗しても、素直に自分の間違いを認めようとはせず、これはこういうことだから、自分は悪くないと思おうとするのです。
しかし、どんなに自分に言い訳をして、自分の我を保ったとしても、根底にはマイナスの我がある為にどこか自分は生きる価値のない人間ではないかと思って不安になる。
だから、私たちは他人と比較をして自分が上になることで、自分は価値のある人間なんだと思って安心しているのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました