苦しみはどこから来るのか3

この色に喩えているものは、心の状態を指します。例えば、いつも責められているのではないかと思って、ビクビクしている人は、ちょっとした相手の言動でも責められているように感じて苦しくなります。

また、馬鹿にされているのではないかという世界の中で生きている人は相手がちょうど挨拶を返してくれなかっただけで、馬鹿にされたと思って腹を立てます。

このように私たちは相手はこういう人だと決めつけて見ていますが、それは自分の心がそんな世界の中に生きているから、そのように見えるだけで、現実には自分が見ている世界とは違うかも知れないのです。

では、この心の世界とはどのようにして決まるのか。

それは自分の心から普段どんな心が起きているか。それで決まります。例えば、人のことをいつも馬鹿にしている人ならば、その人の心は馬鹿にされているのではないかという不安に包まれますし、人を責めている人は、自分は誰かに責められているのではないかという不安が起きてきます。

このように天に向かって唾を吐いているように、他人に向かって起こした感情は鏡のように自分の元へと跳ね返り、返ってくる。

だから、いつも何かの不安に怯え苦しんでいる人は間違いなく自分の心から起こした思いによって苦しんでいるのです。

自分の心の世界は自分の心から起こす思いによって決まる。

これが仏教で教えられる因果の道理であり、これを体得して、苦しみから離れてゆく教えが仏教なのです。

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