禅によって菩提心を起こすとはどういうことか説明したいと思います。禅とは、心の穢れを取り除き、心を空っぽにすること。その為に自分の身の回りの環境を整理し、使わないものは捨て、持ち物はすべて使うようにして、使ったものは元に戻すように心がける。そうすることで、自分の心に波がなくなり、穏やかな心になる。次に穏やかになることで、心に余裕ができ、その余裕の中に他人の穢れが入ってくるようになる。この時、自分の心の中では一人では心穏やかに過ごすことができるのに、人と一緒にいることで、心が穢れ苦しいと感じるようになり、これならば一人の方が楽だと思うようになる。この時、一人になってなるべく影響を受けないような道を選ぶと、その人は利他の道から逸れ、小乗に堕ちる。ここでたとえ他人から穢れを受け取って苦しい思いをしたとしても、この人の苦しみを取り除いてあげたいと、他人の心を楽にする為にあえて相手の苦しみを受け取ってあげようと思う心を菩提心と言い、これが禅によって菩提心を起こすと言うのです。
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