煩悩

煩悩とは何か?
煩悩とは罪悪がある為に真実を正しく見ることができず、現実を歪めて自分に都合良く見てしまうことです。
私たちは唯識が分からない為に、他人に対して起こした思いが自分に跳ね返ってくることも分からず、自分が相手よりも上に立つ為、また、自分が他人よりも認めてもらう為、そして、自分が得する為に、相手の存在を否定したり、引きずり下ろしたり、はねつけたり、馬鹿にしたり、道具のように扱ったり、食い物にしたりします。この他人に対して起こした思いはたとえ口や態度に出さなかったとしても、心で思った思いは、阿頼耶識に収まり、自分の唯識になって跳ね返ります。
だから、馬鹿にしたら、馬鹿にされているように感じるし、無視したら無視されているように感じる。責めたら責められるように感じて、自分の存在が否定されているように感じて苦しむようになります。その為、私たちは正義を信じ、正義に従うようになる。それは自分が正義に従って行動している間は、正しいところに立っているので、自分の作り出した罪悪の報いを受けなくて済む。だから、私たちは罪悪の報いで苦しみたくないので、いつも正しいところに自分を立とうとするし、自分が間違っているなんて、認めることができないのです。
この為、現実を歪めても、正しいところに自分を立とうとする。この時、現実を歪める為、また、歪んだ現実によって起きてくる心が煩悩なのです。
私たちは煩悩がある為に罪悪を造りながら、その報いによって苦しまずに済んでいるのです。ところが、報いを誤魔化すことによって、罪悪を犯していながら反省できない。その為に一つの罪悪から、さらに重い罪悪へと移ってゆき、結果的ににっちもさっちもいかなくなって、その報いによって苦しまずにはおれなくなる。それが煩悩なのです。

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