忍辱

忍辱。これは大事な人の幸せの為に、その人から受ける苦しみを静かに忍ぶことです。誰かを幸せにしたいと思ったら、その相手に温かいものを送り続けなければならない。ところが、温かいものを送ったからと言って、相手から温かいものが返ってくる訳ではない。温かいものを送って温かいものが返ってくるのは、それはその相手が幸せな人の場合だけで、苦しんでいる人は温かいものを受け取ると、その分だけ冷たいものを吐き出す。それはその人が今まで苦しい環境でまわりの人から冷たいものを受け続けてきたからであり、それが温かいものを受け取ったときに吐き出され、冷たいもので返してしまう。だから、温かいものを送っても冷たいものが返ってくる。これを静かに忍ぶこと。これが忍辱。だから、ひたすら相手から冷たいものを受けて耐えてゆくのが忍辱ではない。忍辱とはどんなに相手から冷たいものを受けたとしても、それを冷たい心で返すのではなく、温かい心を送り続けてゆくこと。それが忍辱。温かいものを送り続けてゆくからこそ、相手の心も温かくなり、やがて温かいものが返ってくるようになる。それまで静かに忍ぶ。それが忍辱なのです。

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