素直に負けを認められる相手

仏を念じることほど幸せなことはない。何故なら、仏を念じたならば、仏のような徳が備わるから。
私たちは日々どんなものを念じているか。その念じているものに自分が近付いてゆく。仏のような素晴らしい徳のある存在を念じたならば、仏の徳が身についてゆくし、賤しい存在を念じたならば、賤しい存在に近付いてゆく。
では、私たちは日々どんなものを念じているだろうか。多くの人は、他人と比べて自分が上か下かを問題にしている。このような人は自分が上に立つ為に自分よりも下の人ばかり念じている。下の人ばかり念じているから、いつまで経っても、素晴らしい人間にはなれない。素晴らしい人間になるには、自分よりも素晴らしい人を念じなければならない。でも、素晴らしい人を念じると自分が下になってしまうから念じることができない。
だからこそ、仏を念じる。それは仏と比べたならば、自分は下に決まっているから。人間が仏になることはできない。だからこそ、仏に負けても、それは自分は人間だからと諦めがつく。
自分が素直に負けを認められる相手が仏なんですね。

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