清風宝樹をふくときは

清風宝樹をふくときは いつつの音声いだしつつ 宮商和して自然なり 清浄勲を礼すべし
阿弥陀仏に救われた人は、浄土から吹く風によって、まるで音楽を奏でるように説法をすることができる。その音を聞いた人は、あの人だけは絶対に許せないと思っている人も許すことができ、仲良くすることができる。だから、障りの多いこの世の中で、人と和して、相手の嫌なところも許し、自分の嫌なところも許してもらい、人間関係を築くことができる。私たちはどんなに相手のことを許してあげたいと思っても、相手の言動が気になると、どんどん心の中に嫌だという気持ちが溜まってゆき、もう嫌だと怒りが吹き上がって言わずにおれない。結局、我慢しているから、こんなに我慢しているのにと愚痴が溜まり、挙げ句の果てには、こんなことを言ってはならないと思うようなことでさえも平気で言ってしまう。そして、言ってしまったのに、自分から謝ることができずに、むしろ正当化して、相手が悪いのだから、相手から謝るべきだと思ってしまう。これが私たちの生きている世界。
だから、関係が一度崩れると、どちらも相手の方から謝るべきだと思って、相手を悪者にするので、修復できない程まで、崩れてしまい、もう収集がつかなくなる。そんな絶対に許せない相手でさえも、阿弥陀仏の説法は許してあげないと思えるようになる。そして、許してゆけるのである。
そんな障りを取り除き、清浄にしてくれる阿弥陀仏の説法に心から感謝せずにはおれないのである。

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