因果の道理は善いタネも悪いタネも蒔いたからと言ってすぐに現れるものではない。特に悪い種まきは自分が蒔いた時に返っては来ずに、自分が悪かったなと思ってやらないように気をつけた時に返ってくる。
だから、相手から嫌な思いを受けた時は、自分もかつてはそんな悪いことをしていたんだと反省し、自分がやっていた時には、相手はこんな嫌な思いをしてきたんだと思って、自分の悪を受けた相手の気持ちを知るご縁なんだと思って受け止めたらいい。
相手から受ける結果は自分のやっていないことはない。すべては自分の蒔いた種まきであり、それが結果となって自分の元にやってくる。
でも、種まきの恐ろしいことは、自分が悪を悪だと気づいてやめたとしても、蒔いた悪の報いは消えないこと。むしろ気づいてから報いとなってやってくる。それは自分の悪を受けた人の気持ちを知るため。こんな気持ちになるようなことを私は平気でやってきたんだと思えば、他人から悪を受けても、自分はやり返そうとは思わない。相手のやったことは悪だから、自分はそんな悪をしない。悪を知るということは、悪を悪だと気づくことと、そして、それを受けた相手の気持ちを知ること。
報いは相手の気持ちを知るためにある。そう思ったら、相手から受ける苦しみも静かに忍んで受け止めてゆくしかないですね。
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