弥陀成仏のこのかたは いまに十劫とときたれど 塵点久遠劫よりも ひさしき仏とみえたまふ
阿弥陀仏が仏になられたのは、今から十劫の昔と説かれていると聞くと、お釈迦様が仏になられたのは、今から塵点久遠劫の昔だから、お釈迦様の方が古い仏だから、お釈迦様の方が阿弥陀仏よりも偉い仏様なんだと言う人がいるが、阿弥陀仏の十劫というのは、この十は満数であり、無限を意味するので、十劫というのは、無限の昔に仏になられたということ。つまり、塵点久遠劫よりも久しき仏が阿弥陀仏であり、阿弥陀仏とは真理そのものを表した仏なのである。だから、お釈迦様も阿弥陀仏の真理によって仏になられたのであり、阿弥陀仏の智慧によって説法をされる。それはお釈迦様だけでなく、大宇宙のすべての仏は皆阿弥陀仏の智慧によって教えを説かれているのである。
だから、阿弥陀仏の救いだけを聞けば、私たちは救われるのではない。すべての仏は阿弥陀仏の智慧によって何を説かれるのか?それは因果の道理であり、聖道仏教である。それは阿弥陀仏の救いまで導く為には、阿弥陀仏は慈悲の仏様なんだと説くのではなく、この世の真理を説き、仏様から見た世界を明らかにしないといけないからである。仏教とは、阿弥陀仏の智慧によってこの世の真理を聞くことであり、それしか私たちが救われる道はないのです。
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