徳川家康がある時家来たちに対して、この世で一番美味しいものは何かと尋ねた。家来たちは思い思いの答えをしたが最後に家康はお梶に尋ねた。するとお梶は塩ですと答えた。今度は反対にこの世で一番不味いものは何かと尋ねた。それに対して家来は色々な答えを出したが、最後お梶に尋ねると、それは塩だと答えた。確かに料理の美味しさは塩加減で決まる。どんなに高価な材料を集めたとしても、塩加減が悪ければ、その美味しさは損なわれ、とても不味くて食べられないものになってしまうであろう。
それと同じように幸せとは、この人生をどう料理するか。その腕で決まる。でも、みんなお金や財産や地位や名誉ばかりを求めている。これらは私たちを幸せにする材料であって、幸せそのものではない。この幸せの材料を求めるだけで、肝心のその材料をどう活かすかという方法を知らなければ、どんなに豊かな生活をしたとしても心は貧しく苦しまなければならないのである。
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