価値にとらわれる

人間は価値を問題にする。自分に価値があれば、まわりの人は自分のことを大事にしてくれると思っている。
だから、まわりの人が自分を無視したならば、無視されたことよりも、自分は価値のない人間ではないかと見られたことに腹を立てる。
だから、自分が如何に価値のある人間であるかを証明すれは、まわりの人は自分のことを大事にしてくれると思って頑張る。
でも、どんなに自分が価値のある人間になったからと言って、それでまわりの人から大事にされたとしても、心の底では喜べない。
それは自分の持っている価値を失った時に人は私のことを見捨ててくると思うから、だから、いつまでも大事にしてもらいたいから、価値にしがみつく、これが執着。
人は、見捨てられることが怖い。人から相手にされないことが怖い。自分に集まっていた人が自分から離れてゆくことが怖い。
だから、価値のあるものを手に入れて、他人からチヤホヤされた人ほど、自分の手に入れた価値に自信を持ち、それを失うことが怖くなる。
その為、自分の手に入れた価値を失わない為に時には他人に対して冷酷にもなる。
でも、どんな価値を手に入れたとしても、死ぬときには置いてゆかなければならない。
それは自分の手に入れた価値に自信を持っている人ほど、それを失って何もなくなってしまうことが恐ろしい。
それは何もない自分は誰からも相手にされない無価値な存在になってしまうからである。
人は、価値にとらわれるから苦しまなければならない。それは馬鹿にされないように価値を保ち続ける苦しみであり、失った時に惨めな思いをしなければならない苦しみ。
価値にとらわれず、自分で自分を認めることができたら楽になるのに。
でも、分かっていても難しいことですね。

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