この人はここが悪い、この人はあそこがいけないと他人を否定するのは、簡単にしてしまう。そうやって、他人を否定すると、その時は自分は正しいという所に立てるので、気分も良くなる。日頃、自分のことを駄目だと思っている人ほど、他人のことも駄目出しをして、こんな悪い人間はいないように見る。そうやって、他人を否定することで自分を正しい所に立って安心させている。
でも、他人を否定した分だけ、自分も否定される。自分が他人にした鋭いメスは自分を切り刻み、自分なんかここに存在してはいけないように感じさせる。
だから、自分のことを駄目だと言う人は、人を見る目が厳しいだけで、自分が思っているほど駄目な人間ではない。
世の中に完璧な人間なんかいない。でも、完璧な人間なんかいないのに、完璧な人間ではないといけないと思っている。
確かに完璧でなければ、色々な意味で、まわりの人に迷惑をかけてしまうこともある。
でも、それもお互い様。迷惑をかけることもあれば、迷惑をかけられることもある。
それで相手から悪く見られるかも知れない。
だから、みんなから自分は嫌われるのだと思ってしまう。でも、本当は誰よりも自分のことが嫌い。自分のことが嫌いだから、みんなも自分のことが嫌いなのではないかと思ってしまう。
それは日頃から他人の悪い所ばかり見ているから、悪い所を見ることが癖になってしまっているからだ。
だから、無意識のうちに自分の悪い所ばかり見てしまう。
そして、自分にはこんな悪い所があるから駄目なんだとダメ出しをしている。
そうやって、自分を否定するから他人も否定する。他人を否定するから自分も否定する。この悪循環を続けてしまうのである。
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