多くの親は子供に対して、このようになって欲しいという願いを持っている。でも、その願いが強く、こうなって欲しいと子供に関われば関わるほど、無意識のうちに子供に対して無力感を植え付けている。子供とは言うことを聞いてくれないもの。そんな子供が親の言うことを聞いてくれるようになるのは、子供自身、自分の感情を否定しないとできないもの。親は子供が思い通りにならない時に、その子の感情を否定して、言うことを聞かせようとする。それは親自身が正しい所に立っていればいるほど、自分の言うことを聞けばいいと思って、子供を動かす。子供は子供で親の言うことは正しいと思えば思うほど、親の言うことに従い、自分の感情で物事を考えることを否定するようになる。つまり、考えない子供になる。考えない子供とは、自分の感情を否定する子供。そうやって、親の言うことに従っていればいいと育てられた子供は、自然と自分の中でこれは正しい、これは間違っているという価値観ができるようになり、それに従えない時は、自分はダメな人間なんだと思うようになる。つまり、このような人は、自分はダメな人間になりたくないから生きるようになる。そして、どんなことをしても、心から喜ぶことはできなくなる。何故なら、自分の中でいつも自分が思う正しいことをしているだけで、それができて当たり前。できなかったらダメだからだ。このような人は、自分の常識に従うだけで、自分は我慢してまで正しいことに従っているから、いつか幸せになれると思っている。でも、どんなに正しいことをしていても、自分の感情を否定しているので、幸せになることはできないのである。
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