邪魔者は消えろが殺生

殺生とは何か?
殺生とは、すべての罪悪の根っこにある罪悪。殺生があるから、次の偸盗が生まれ、偸盗があるから、次の邪欲が生まれる。そして、邪欲があるから、次の飲酒が生まれ、飲酒から、最後の妄語が生まれる。
それで殺生とは何か?
殺生とは相手の存在を否定すること。
私たちは自分の思い通りに物事が進んで欲しいと思っている。ところが、相手が自分の思い通りに動いてくれないと、こんな相手さえいなければ、自分は楽なのにと思ってしまう。そうやって、相手の存在を否定する。
否定すると、それが唯識になって否定されているように感じる。だから、思い通りにならない相手には自分の存在が否定されているように感じて苦しいので、余計思い通りにしようとして我を通す。
私たちは誰しも常識というものを持っている。そして、みんな自分の決めた常識に従って行動している。そして、この常識に従って自分も行動するだけでなく、他人も従わせようとする。
私たちにとって常識に従わない人は、思い通りにならない人。その人をこれくらいやるのが常識でしょと言って、徹底的に責める。そして、常識に従わせようとする。
でも、そうやって、相手の存在を否定して常識に従わせようとすればするほど、思い通りにならない相手の存在が許せなくなる。それは自分が相手を否定した分だけ、思い通りにならないと否定されているように感じるから。
だから、ますます常識に従わせようとして責めてしまう。責めたら思い通りにならないと責められているように感じるし、責められたら、また、常識に従わせようと責めてしまう。
こういう人は、まわりの人がみんな自分の常識に従っていたならば、落ち着いているが、その中で誰か一人でも思い通りにならないと、自分の存在が否定されているように感じて、責める。
このように一度責め始めると、まわりの人が自分の決めた常識に従うまで、責める、責められるという世界から抜け出せない。これが殺生。そして、結局、思い通りにならない人をもうこの人とは一緒にやってゆけないと切ってしまう。
それこそ存在の否定。
このするとますます否定されたくないから、常識に自分も従うし、まわりの人も常識に従わせようとする気持ちが強くなる。
やがて、自分のまわりから誰もいなくなって孤独なって苦しむ。これが殺生なのです。

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