謝れない人

世の中には、自分が傷ついたときに傷つけた相手を悪者にして相手を責める人がいる。
この人にとっていつも傷つけた人は悪者であり、傷ついた人は被害者。被害者はみんなから同情され、守ってもらえると思っている。
だから、自分が傷ついた時は思いっきり如何に自分が傷ついたかをアピールする。その方法は怒りかも知れないし、泣くことかも知れない。
でも、それは誰かを悪者にする為のあてつけ。
このような人は自分を傷つける相手は悪者であり、みんなから責められるべきだと思っている。
しかし、そんな人は、傷つけられたときは敏感になって相手を責めるが、自分が他人を傷つけた時は自分の過ちを認めようとはしない。
つまり、ごめんなさいと謝ることをしない。
そして、相手も傷ついたかも知れないが、自分も相手から一杯傷つけられたのだから、自分は悪くないと言い張る。
なぜ自分が他人を傷つけたことを認めて謝れないのか? 
それは謝ったら自分は悪者になってしまうから。自分が悪者になったら、今まで自分が他人を悪者にして責めてきた分、みんなから責められるように感じる。だから、責められたくないので、謝ることができない。それどころか、謝るぐらいなら、嫌われた方がいいと思ってしまう。そして、相手から嫌われても、悪いのは自分ではない相手の方だと思って、心を納得させている。
この人にとって問題になっているのは自分が悪者にされないかどうか。しかも、それは自分の中で悪者にならなかったならばいいと思っている。
それで悪者になりたくないから、自分がどんなに相手を傷つけても謝ることができない。
でも、謝ることができないと、自分の中では自分は悪者にならなくて済むが、まわりの人は自分から離れて孤独になる。
独りぼっちになることは寂しい。悪者になりたくない意地を張る人は、孤独になって寂しい思いをしなければならない。そうやって、孤独の寂しさを感じながら、みんなが楽しそうにしている姿を羨ましく見るしかない。それが謝れない人なのである。

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