無貪

無貪とは何か?
貪とは、どちらが上か、どちらが下にこだわり、自分が上になろうとすること。そして、その為に必要なものに執着し、自分のものにしようとすることです。
例えば、お金は私たちが生きてゆく為に必要なものです。でも、私たちがお金を求めるのは、生きてゆく為だけではなく、自分がどれくらい稼ぐかによって、自分のステータスを計っているからです。
だから、たくさんのお金を稼ぐ人は普通の人よりも、自分は上だと思って優位に立つことができます。この優位に立つことに、私たちは執着するのです。
また、年収一千万円くらい稼いでいる人は、自分は他の人よりもステータスが上であることを持つものを他の人よりも差別化することによって見せつけようとします。
例えば、高級車を買ったり、ブランド品を身につけたり、家賃の高い部屋を借りたりして、自分は他の人とは違うことを見せつけようとします。
また、女性が結婚にこだわるのも、幸せな家庭を築きたいからではなく、負け組になりたくないから、だから、結婚適齢期になった女性は急いで結婚しようとするのです。 
みんなまわりの人と比べて自分が上か下かを問題にしている。そして、他人と比べて自分が上であることを証明する為に価値のあるものを求めている。
高級ブランドのバックを持っている人がいいなあと思ったり、その人が毎年のようにブランドのバックを買い換えていたりすると、妬みを起こすのも、上か下かにとらわれているからです。
ここで自分が他人よりも下になって苦しいと感じたとしても、それは誰かから見下されたから苦しい訳ではなく、自分が作り出した他人を見下す目が自分に向けられて苦しいだけなのです。
つまり、苦しみとは自分の心から生み出されているのてあり、外は関係ないのです。
どんなに外を問題にしたとしても、死んでゆく時にはこの世で手に入れたものすべてを置いてゆかなければならない。
だから、どんなに外を着飾ったとしても、本質的には他人も自分も何も変わらない。
大事なのは、まわりの人よりも自分がどれだけ優れているかを見せつけることてはなく、自分のことをどれだけ自分が大事な存在と思って大事にしてゆくか。自分が大事な存在と思えたら、他人と比べる心も弱くなる。これが貪から離れた無貪になるのです。

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