死を意識して生きる

人は必ず死ぬ。私たちは日頃は死を意識して生きることはないが、自分の体が思い通りに動かなくなってくると、自分もいつまでも生きておれる訳ではないと思うようになる。そうなると途端に自分は死なないという所に立って、我が強くなる。何事も自分の都合の良いように解釈するようになる。我が崩れてしまったならば、むき出しの感情が見えてくる。どんなに日頃は強かっていたとしても、我が崩れて吹き出す感情は幼い赤ん坊のような心。こんな心でたった一人死に向き合わなければならないと思うと不安になる。だから、死を意識すればするほど、自分の感情が崩れないように我で心を封じ込める。本当は感情を表に出した方がいいのに。その感情を育てなければ、恐ろしい死に向き合うことなんて、とてもできない。人間必ず死ぬ。だからこそ、死を意識して生きてゆかなければならないのだと思いました。