欲の苦しみ

欲とは、何かを自分のものにして安心しようとする心。不思議なもので人間とは、物をたくさん持てば持つほど、これでは足りないと思って、もっと欲しくなる。
服ならば、この服はこんな時に着たい、あんな時には、こんな服を着て出かけたいと、服を見ながら夢が膨らむ。
そうやって、夢を膨らませて、あれが欲しい、これが欲しいと物を買ってゆくと、今度は欲しいものがあっても手に入らないことが不満に思うようになる。
ああ、もっとお金があったら、こんなものも買えるのにと、何でも買えるお金持ちを羨ましく思う。
なぜ物をたくさん持つともっと物が欲しくなるのだろうか?
それは物に我がついているから、私たちは我がつくと、それが自分のように感じる。だから、物に対してやっていることは自分に対してやっているように感じる。
物をたくさん持つ人ほど、ただ所有したいだけで着ることはしない。心をかけることもしない。
心をかけないと、それが鏡のように跳ね返り、自分も心をかけてもらっていないように感じる。
だから、みんなに見てもらいたい、自分がここにいることを知ってもらいたいと思うようになる。だから、みんなから見てもらう為に、みんなからどう見られるかが気になる。
その為、みんなから見てもらえるように、自分に自信をつけたいと思って価値のあるものを得て自分のものにしようとする。
でも、価値のあるものを得て、自分に自信をつければ、つけるほど、どうだあなたとは違うと、まわりの人を見下すようになる。見下すと見下されているように感じて、もっと価値のあるものが欲しくなる。
だから、物をもっともっとかき集める。かき集めると、物に心がかからなくなり、自分も心をかけてもらっていないように感じる。
だから、もっと物が欲しくなる。そうやって、次々と物を増やしながら、不安も大きくなってゆく。
これが欲が生み出す苦しみなのです。

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