欲とは

欲とは何か?
欲とは、物事の本質が分からずに、ものを真実よりも大きく見たり、価値のあるものだと思って見て、それを手に入れたら幸せになれると思って追い求めることを言います。
だから、求めている時には、それを手に入れても、自分の望んだ幸せは得られないということが分からず、それさえ手に入れたら幸せになれると思って追い求めている姿が真実から言ったならば苦しんでいる姿なのです。
でも、私たちは真実を知らない為に、今追い求めているものが手に入ったら、幸せになれると思って追い求めている。それが悲劇なのです。
たとえば、お金がない人は、お金があったら、今よりも幸せになれると思いますし、地位や名誉がない人は、地位や名誉が手には入ったならば、幸せになれると思って求めます。
でも、それらのものを手に入れても、私の心は本質的には何も変わりません。
それは幸せとは何を手に入れるかによって決まるものではなく、自分の心からどんな思いが起きるかによって決まるからです。
仏教では、私の心を幸せにする思いを清らかな思いと言います。
だから、仏教では、幸せになりたければ、如何に自分の心を見つめ、その心を清らかにするか、それが大事であると教えられます。
でも、私たちの目は心を向いておらず、お金やものなどの外に向いています。そして、それらのものを欲によって追い求めている。
だから、幸せにはなれないのだと教えられるのです。
欲を満たすことばかり考えている人は、あれが手に入ったら、これをしたら幸せだと思っている人であって、実際、それらを手に入れても、幸せなのは、その瞬間だけ、すぐに幸せも色あせ、また、次の欲へと走ります。
そして、欲から欲への綱渡りで、歳を取り、死んでゆく。結局、苦労はしても、幸せは残っていない。いったい自分は何をしていたのかという後悔しか残りません。
この欲から離れるには、どんなものを手に入れたとしても、最後には無常がやってきて、失うことになるのだという真理を知らなければなりません。
そして、最後には失うということは、始めからなかったのと同じであるという真理が知らされたならば、欲を求めることからも離れ、心へと目が移るようになります。
この心を問題にする為にも、私たちは欲から離れなければならないのです。

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