懺悔

懺悔とは何か?
懺悔とは、もう同じ過ちはしないと心で固く誓うこと。でも、どんなに心でこんなことをしないと固く誓っても、それで懺悔になる訳ではない。
懺悔には、取り返しのつかないことをしてしまったという自覚が大事。
私たちは失敗しても、自分の中でこれはこういうことだから悪くない。あれはああいうことだから悪くないと心の中で言い訳をして自分を正当化している。
でも、どんなに言い訳して自分を正当化したとしても、その失敗によって失った信用は元に戻る訳ではない。
例えば、自分がどんなに怒らないように気をつけていたとしても、怒って相手を傷つけてしまったならば、相手の心には傷つけられたという感情が残る。それはどんなに怒ったのは自分は悪くないと言い訳をしたところで、だから相手は傷つけられたことをなかったことにしようとは思わない。
つまり、相手を傷つけたことはなかったことにはできないことであり、傷つけたことを受け止めて、これからその人と会わなければならない。この事実を受け止めること。もうなかったことにはならない。自分は相手を傷つけてしまったのだということをなかったことにはできないと認めること。そして、これから失った信用をもう一度積み上げてゆくこと。それが懺悔。
私たちは失ってしまっているのに、失ったという事実を認められず、自分は悪くなかったとする為に相手を悪者にする。
だから、どんなに相手を傷つけたとしても、自分が悪かったとは思えない。その人にとって、相手を傷つけたということよりも、どちらが悪かったということが問題になって、自分も悪かったけど、相手はもっと悪いと思っている。
でも、真実から言ったならば、どちらが悪いなんてどうでもいい。大事なことは、自分の種まきによって相手を傷つけてしまったということであり、それはもうなかったことにはできないということである。
それはもう取り返しのつかないことなんだと思って、なかったことにはできないのだと受け止めること。
そこから、もう二度と同じ過ちはしないという決意が生まれる。これが仏教の懺悔なのです。

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