恨とは何か?
恨とは、恨みのこと。恨みとは、自分の素直な感情を伝えたら、相手に迷惑ではないと思って、思っていても、言えない人が、自分の気持ちを素直に言えて、楽しそうにしている人に対して、自分も苦しんでいるようにお前も苦しめと思う心です。
ここで大事なことは、この恨みの根本は、自分の心の中で思っている思いがあっても、それが何らかの力によって抑えつけられて、言えないことが原因で、この恨みが起きます。
この力とは具体的に誰かによって抑えつけられている訳ではなく、自分の心の中で生み出した力。その力によって抑えつけられて、自分の心で思っていることが言えず、苦しんでいる。
では、この力とは、どうして生み出されたのかと言えば、多くの場合、その人の親が他人に迷惑をかけないように気を遣う人であり、子供が自分の好きなように動いていると、まわりの人に迷惑をかけているように感じて、自分が責められたくないから、怒りを起こし、子供を責める。そうやって、育った子供は自分の存在そのものが他人に迷惑をかけるような存在かのように感じて、自分は迷惑をかけないように思っていることも言わず、大人しくしていたらいいのだと思うようになったのです。
だから、この人の心の中にはいつも自分の思い通りにしたら否定されるという巨大な力があり、いつも自分のことを抑えつけている。その力によっていつも無力感を植え付けられ、自分は何もしてはならないと思っている。そんな人が自分のやりたいことをしている人、自由に自分の思い通りにしている人に対して、自分も苦しんでいるのに、なぜお前だけが楽しそうにしているのだと思って、自分も苦しんでいるようにお前も苦しめ、と思う心。これが恨みです。
また、恨みの強い人は、金や財産、権力を持つ人に対しても、恨みを持ちます。それは自分の中にどうしようもない巨大な力があって、自分を苦しめている。だから、自分も力があったならば、自分の思い通りに振る舞うことができるのではないかと思う。でも、この人は、力を持った人の存在を認めないので、力を求めながら、力を手に入れると、今度は自分の存在が否定されているように感じて苦しむ。
だから、いつも力を手にした人を恨むだけで、自分も力を持って、他人の上に立とうとはしないのです。
このような人がどうしたら恨みから離れることができるでしょうか?
恨みを起こす人は、迷惑をかけてはならないと異常なほど気を遣う人でもあります。迷惑をかけないように自分の思いを否定し、言えなくなった。だから、恨みから離れる為には、相手が迷惑かも知れないが、自分の気持ちを伝えてゆく努力が必要です。
自分の気持ちを正直に伝えることができたならば、力に対して執着したり、楽しそうにしている人に恨みを起こすこともなくなります。その為には自分の気持ちを受け止めてくれる人が必要であるし、その人に対して、勇気を出して自分の気持ちを伝えてゆくことが大切な心がけなのです。

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