唯識の世界とは

私たちは自分の見ている世界が唯識の世界だと分からず、これは自分のものだとか、あれは他人のものだとか世界を区別して見ていますが、自分がこれは自分じゃないと思って見ているものも、また自分の心に映し出された映像に過ぎず、すべては自分の心に映し出される世界、つまり唯識なのです。
だから、この人が嫌いだと思っている人も、実際のその人を嫌いだと思っているのではなく、自分の心に映し出されたその人を嫌いだと思っているのです。だから、真実から言ったならば、その人が嫌いなのではなく、その人を通して映った自分が嫌いなのです。だから、自分にとって嫌いな人とは、自分の嫌な部分を見せてくる人だから嫌なのです。
でも、私たちは唯識が分からないので、この人が嫌なんだと思ってしまうのです。しかし、真実から言ったならば、見ている自分も自分ならば、見られている相手もまた自分の心に映し出された自分。だから、すべて自分の心が形を変えて現れたものに過ぎません。これが唯識の世界なのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました