勝他の報いの苦しみ

人は煩悩で苦しんでいる。ここで苦しむとは何か。苦しむとは、心が穏やかになることができないこと。煩悩とは、勝他、名聞、利養。勝他とは、自分よりも勝っている人がいる時にその人の存在を認めることができず否定すること。
人は自分が一番になることはいいが、自分よりも認められる人がいると、その人の存在を快くは思えない。
なぜなら、自分よりも勝っている人がいると、その人のことばかり注目されて、自分の存在を見てもらえないから。それは自分がここに存在しているのに、存在していないように感じて苦しい。だから、相手を否定すれば、自分は苦しむことはないと思って否定してしまう。だから、否定する為に相手の良いところは認めず、悪いところばかり見て、この人はこんなに悪いところがあるのに、どうして自分よりも高い地位にいるのだと否定する。そして、自分がこのように思うだけでなく、まわりの人も自分と同じように上になった人を否定する。
このような世界では、下になると存在を見てもらえず軽く扱われるようになり、上になったらなったで、まわりの人が自分を引きずり下ろすようなことばかり考えているような感じがして喜べない。上になっても下になっても苦しむ。それが勝他の報いの苦しみなのです。

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