使っている物を大事にして、次の世代に引き継いでゆきたい

昔、お金のない時代、物はとても貴重だった。だから、着物を買って、それを子供や孫に引き継いでいくし、自分の使っている物は自分だけが使うものではないから、大事に使わないといけないと思って使っていた。
時は流れ、日本は豊かになった。お金を持つようになって、何でも好きなものを買えるようになった。それと引き換えに物を大事にする文化までも無くなってしまったように感じます。
でも、仏教から言ったならば、自分の物に対してどう扱うかによって自分の存在価値が決まると教えられる。
自分の使っているものを大事にしたら、自分の存在を大事に思えるようになるし、反対に軽く扱ったら、自分なんて生きる価値のない人間のように感じてしまう。
そういう意味で、幸せになりたければ、如何に自分の使っているものを大事にしなけれぱならない。
私は物を大事にできるような人間になりたい。そして、自分が大事にしてきたものを自分の子供にも引き継いでゆけるようになれたらいいなと思います。
確かに景気から見たら、みんなが新しいものを買って、大量生産、大量消費していったらいい。でも、これからの時代はたとえ景気が悪くなっても、みんなが今あるものを大事にして、次の世代へと引き継いでゆけるような時代に変わったらいいなと思います。
自分が大事にしてきたものを次の世代の人に引き継ぐ。そうしたら、大事なものを大事に思うように、引き継いだ人も大事に思えるようになる。
物を大事にする人は自分も大事にするし、他人も大事にする。たとえ相手との間で何か嫌なことがあっても、それで人間関係を切っておしまいにすることなく、自分の感情を乗り越えて、関係を築いてゆくことができる。
新しい物、新しい物と移ってゆく人は、人も嫌になったら切って次の人へと移ってしまう。しかも、長く付き合ったとしても、何かあると、簡単に切ってしまう。
これでは、人と人との間に積み上がってゆくものは何もない。どんなに長く付き合っても薄っぺらい付き合いで、本当の人間関係を築くことはできない。
どれだけたくさんの人と付き合っても、何かあったら切れてしまう関係の人しかいなかったら、それは何もないのと同じ。どうせ付き合うならば、一生の付き合いになるような付き合いをしてゆきたい。
その為には、まず自分が今あるものを大事にしてゆく。一生をかけて一つのものを使い続ける。ただ使うだけでなく、心を込めて使ってゆく。
そうやって、自分の身の回りのものをすべて大事にしてゆきたいし、大事な物に囲まれて生きてゆきたい。
幸せは何でも買えるお金を持つことではなく、そのお金で買ったものを如何に大事にするかで決まるのだなと思いました。

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