一つを見てすべてを判断する人

よく人の一カ所を見て、その人のすべてが分かったように、この人はこういう人だと決めつける人がいるが、そういう人は結果だけしか見ていない人であり、自分が結果しか見ていないように、それが唯識になって跳ね返り、常にまわりから結果しか見られていないように感じてしまう。
つまり、自分が何か仕事を引き受けると、“ちゃんと結果を出せよ”と言われているように感じてしまい、その仕事が重荷のように感じて早くこの重荷を下ろして楽になりたいと思うようになる。
だから、仕事を早く終えることしか考えないようになり、その間、他人のせいで自分のやるべきことが増えたならば、心の中で腹を立てて、自分の仕事ぐらい、自分できちんとやれと相手を責める。責めるから、責められているように感じて、自分が仕事をする時は余計きちんとしなければならないと思うようになる。
この人にとって仕事とは、自分が他人から評価されるものであって、どんなに努力しても結果を出せなかったならば、それだけで自分は駄目な奴だと見られるように感じている。
だから、仕事を受けたら、早く結果を出せる所まで持ってゆきたい。それまでは心の中に鬼がいて、早くやれ、早くやれと自分を責めてくるように感じる。
この人にとって、仕事で結果を出した時だけが、ほっと落ち着く時であり、ほっと一息ついたら、また、心の中の鬼が自分を責めて、早くやれ、早くやれと追い立ててくる。自分が結果しか見ていないと、このように早く結果を出して安心したいとせかせかするようになる。
一カ所だけを見てすべてを判断する人は、心の中の鬼にいつもお前はダメだと追い立てられながら、生きてゆかなければならないのですね。

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