自分を責めている人ほど、ちょっとのことで腹を立て他人を責めてしまう。ここで自分を責めているといっても、明確に自分を責めているという自覚がある訳ではない。
唯識の中で世界が自分のことを責めているという感覚。それが責められているということ。
責められていると「お前が悪いのだ」という声なき声が聞こえる。
まわりの人が誰も自分のことを悪いと言っている訳ではないのだけど、自分の中にいる鬼が自分の存在を悪いと言って排除しようとしてくるように感じる。
だから、責められたくないから、自らが鬼となって責めてしまう。
これがちょっとしたことで腹が立つということ。
酷く怒ってしまった時ほど、振り返って思うことだが、そんな怒るようなことではないことで怒ってしまったなあと感じる。
だからと言って、自分が悪かったと思いたくはないので、自分の怒りを正当化して、相手が悪かったからだと思おうとする。
こんな時は直接ごめんねと謝ることができなくても、心の中で相手に対してごめんねと謝ったらいい。
そうしたら、自分が悪いと責めてくる鬼も自分のことを少し許してくれて心が軽くなる。
鬼は自分が作り出したもの。だから、自分の心がけ次第で、鬼も優しくなれば、冷たくもなる。
自分の心を自分で苦しめることはなるべくしたくないものですね。
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