正義とは恐ろしい

人は自分がされると嫌なことでも他人に対して平気でしてしまう。

例えば、自分の物を捨てられることは、とても嫌な人でも、他人の物なら、これ使わないだろうなあと思って勝手に捨ててしまう。

捨てられた人は、大事な思い出があったものなのに、どうして捨てるのだと思ってショックを受ける。

でも、そうやって、捨てた人が何かを捨てられたとしたらどうだろうか。

捨てられても仕方ないと思えるだろうか。

平気に捨てる人に限って、自分のものを捨てられると、何か自分の存在まで否定されたような気がしてショックを受ける。

それでも捨てる時は、相手は傷つくかも知れないけど、これは正しいことだからと思って簡単に捨ててしまう。

何が簡単に捨てさせるか。それは自分の中の正義が簡単に物を捨てさせる。

正義とは恐ろしいもの。人は正義の名の元に無慈悲になる。

どんなに相手が傷つくことであったとしても、これが正しいことだからと思って簡単に傷つけてしまう。

それでいながら、自分がされた時には自分が正しいと思っているから断固として相手がしていることを許さない。

私は思うことだが、たとえどんなに正しいことだとしても、相手を傷つけてしまった時は、相手を傷つけたのだと思って、相手の苦しみに目を向けてゆかなければならないと思う。

どんなにそれが正しいことであったとしても、相手が傷ついたならば、素直に謝る。

正しいことをしたのだから、傷つけていいんだと思うのではなく、傷つけて悪かったと思う。

そういう気持ちになれば、自分がやられた時も相手も悪気があってやった訳ではないと思って許すことができる。

何が正しいか何が間違っているかを問題にするのではなく、相手の心が傷ついたかどうかを見てあげたいですね。

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