心が叫びたがっているんだの感想

心が叫びたがっているんだを見た。本当によく出来ていると思った。言葉というものは人を傷つける。どんなに自分の中では正しいことをしていたとしても、知らず知らずのうちに自分から発した言葉は他人を傷つけてしまうことがある。主人公は自分の言葉によって他人を傷つけてしまった経験から、これ以上、他人を傷つけたくはないと思って、言葉を失った人。心の中では様々なことを思っているのに、それを口に出したら、まわりの人が傷ついて、不幸になると思っている。

この主人公を中心として、無意識のうちに言葉によって他人を傷つけてしまう人たちが描かれる。言葉は他人を傷つける。でも、傷つけるようなことを思っているからと言って、それを言わないようにしていたら、自分の心はさらに傷つき、心の中では他人のことを傷つけるようなことしか思わなくなる。この主人公が真実と違う所は、言いたいことを我慢して言わなくなって、自分の心を抑えつけているのに、その心は綺麗なこと。実際は主人公ほど、自分の心を抑えつけたならば、もっと汚いことを思い続けて、その心に苦しむ。自分の心が分かってしまったならば、みんな自分のことを嫌いになって、自分から離れてしまうのではないかと思う。だから、いろんなことを思い続けているのに、何も話さない。それは嫌われたくないから、話したくはない。そんな主人公が心で思っているありったけのこと。それは他人を傷つけるようなことしか思っていないこと。それを吐き出し、受け止めてもらうことによって、自分に自信をつけ、もう一度言葉を取り戻す話。これはお話だから、上手く行ったが、現実は自分の心をぶちまけて、受け止めてくれる人はいない。何故なら、ぶちまける人にとって、相手が自分の言ったことで少しでも嫌な顔をしたら、自分のことを嫌いだと思って、自分を否定し、まわりの人を否定する。みんな自分の気持ちを受け止めてくれる人を求めているのですね。

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