偸盗罪

偸盗罪とは盗みの罪のことです。盗みと言っても、他人のものを盗むことだけが偸盗罪ではありません。他人が幸せそうにしているのを見て、その人の幸せを妬ましく思い、その人の幸せを自分のものにしたいと思ったならば、その心も偸盗罪。

そもそも偸盗罪とは因果の道理が分からない所から生じる罪悪。他人が幸せそうにしていたら、妬ましいと思うのではなく、自分も努力してその人と同じものを手に入れたらいいのですが、偸盗罪とは努力することなく、自分もその人と同じものを手に入れたら、その人と同じ幸せな身になると思う迷いから生まれる罪悪です。世の中というのは自分の中身を見るのではなく、肩書きや立場を見て、その人を判断します。例えば、無名の市民であっても、知事になったら、その瞬間からみんなから大事にされます。自分は何も変わらないのに、何か価値のあるものを手に入れてしまうと、他人は自分のことを特別な存在として見る。これがこの世の中。だから、みんな努力して自分を磨くことよりも、価値のあるものを手に入れて、それで自分を評価してもらいたいと思う。つまり、価値さえ手に入れたら、自分は何も変わらなくても、他人は自分を大事な存在として見てくれると思う心。これが偸盗罪を生み出す一番のポイントなのです。だから、価値があるとないとでは全然違うので、他人と争ってまで価値を手に入れようと思うし、他人を騙してでも自分のものにしようとする。そうやって盗みの心が生み出したされるのです。

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