仏教で仏になる為の道に二河白道がある。二河白道とは、人と向き合って、その人の良いところも悪いところも認めてゆくこと。たとえその相手からひどいことをされたとしても、なんで私はこんな目にあわなくてはならないのかと思うのではなく、自分がこのようなひどい目にあったのは、相手が今まで生きてきた世界がこのような世界であり、その人は、その中で苦しんできたからだと見る。そして、この人が今まで苦しんできた分だけ、これからは温かい世界の中で生きていって欲しいと思うこと。だから、相手から冷たくされても、温かい気持ちを返してあげる。
人は、どんな環境で育つかによって、他人に対する接し方が決まる。冷たい環境で生きてきた人は人に対して冷たい態度を取るし、温かい環境で育ってきた人は、人に対して温かい気持ちで接する。だから、相手が冷たい態度を取ってきたからと言って、その人に冷たい態度をしていたら、その人の心の世界は変わることはない。相手から冷たい態度を取られた時ほど、その相手に対して温かい環境を与えてゆかなければ、その人の心は温かくなることはない。
これを実践するのが二河白道。このように書くのは簡単だが、実践は難しい。
冷たい態度を取られた相手に温かい気持ちをかけてゆくことは難しいことだが、それを実践するからこそ、仏へと近づいてゆくのですね。
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