神力本願及満足

神力本願及満足　明了堅固究竟願　慈悲方便不思議なり　真無量を帰命せよ
阿弥陀仏に救われたならば、阿弥陀仏の本願力によって必ず仏になれる。それは何もしなくてもオートマチックになれる訳ではない。仏になるには、仏になる為の修行をしなければならない。普通の人はやろうとしても、気持ちが続かず、相手から馬鹿にされたり、否定されたり、無視されたりすると、もうこんな思いをするなら、やりたくないと切ってしまう。それでも我慢して耐えたとしても、我慢したことは心に残り、自分が我慢しているのに、相手が私の気持ちが分からず、やりたい放題していると、怒りがこみ上げ、せっかく耐えたのに、もういい、と切ってしまう。
考えてみたら、人間というのは、相手が思い通りにならないだけで、すぐにこんな奴と一緒になるんじゃなかったと思ってしまう。それでも、相手の為に心をかけなくてはならないと言われても、相手のことを許せないという気持ちが強くて、相手が謝ってきても、ダメと思ってしまう。ましてや、相手が酷いことをしながら、それでも謝ることをせずに、好き勝手していたならば、そんな人を許せる人間なんていないと思う。
でも、仏になるというのは、そんな人でも、許し慈悲をかけてゆかなければならない。これは頭では分かっていても、感情ではとてもできない。そんなできないことをさせて下さるのが阿弥陀仏の本願力。どんなに相手が百％悪くても、相手を責めるのではなく、自分の言動を反省してゆく。それは自分の心しかなけれぱできないこと。阿弥陀仏の御心を頂くからこそ、相手を許し、何度でも関係を築き上げてゆく。だから、できないことができる。許せない相手も許せる。それで仏になってゆくことができるのです。
だから！そんな不思議な力のある阿弥陀仏に対して心から帰命しなさいと教えられているのです。